心臓がドクドク鳴り、呼吸が荒くなる。 でも、インターバル走が終わったあとの爽快感は格別。
インターバル走とは、「速く走る→休む→また速く走る」を繰り返す練習。 短時間で心肺・筋力・スピード持久力を同時に鍛えることができます。
サブ3.5を目指す人にとっては、“速く走る日”を週1入れることで、 Eペース走が一気に楽になる魔法のようなトレーニングです。
2. Jack Daniels が語るインターバルの目的
Jack Daniels は「インターバル走」をこう定義しています:
“Intervals are designed to improve your VO₂max — the maximum amount of oxygen your body can use during intense exercise.”
(インターバル走は、身体が最大限に酸素を使える能力=VO₂maxを高めるための練習である。)
つまり、速く走る力ではなく“酸素を使う効率”を上げる練習。 これにより、同じペースでも「苦しくない」身体を手に入れられます。
3. 効果を最大化するための3つのルール
- ① 強度:最大心拍の90〜95%
「苦しいけど、全力ではない」程度。 - ② 休息:走った時間と同じ or 少し短め
完全に止まらずジョグでつなぐ。 - ③ 本数:5〜8本(計20〜30分以内)
長くやりすぎると疲労が残る。
4. サブ3.5ランナー向けの設定ペース
| 距離 | ペース目安 | リカバリー |
|---|---|---|
| 400m | 4:00〜4:10/km | 200mジョグ(1分) |
| 800m | 4:10〜4:20/km | 400mジョグ(2分) |
| 1000m | 4:20〜4:30/km | 400〜600mジョグ(2〜3分) |
初めてなら「400m × 6本」からスタート。 慣れたら「1000m × 5本」に移行するとバランスが良いです。
5. 練習の流れ(実践例)
木曜の朝、まだ薄暗いトラック。 アップ2kmで体を温め、Garminをセットして深呼吸。 「今日は5本だけ、集中してやろう」と自分に言い聞かせる。
1本目:呼吸が乱れる。
2本目:脚が軽くなる。
3本目:リズムに乗る。
4本目:心拍が天井に。
5本目:気力で押し切る。
走り終わると、脚が重いのに、なぜか気持ちはスッキリ。 これがインターバル走の中毒性です。
6. ペース感覚を掴むコツ
- 最初の1本目を「控えめ」に始める(2本目以降を上げる)
- 腕振りを強くしすぎず、リズム重視
- Garminの「ラップペース」表示を見ながら一定ペースを維持
Danielsは「速く走る」よりも「一定ペースを保つこと」を重視しています:
“Consistency of pace matters more than raw speed.”
(速度の限界よりも、ペースの安定こそが成長をもたらす。)
7. 坂がない or トラックがない人の代替法
インターバル走は、どこでもできます。トラックがなくても大丈夫。
- ① 信号間ダッシュ法: 目標を信号から信号までに設定し、300〜500mを全力70%で走る。
- ② GPS区間インターバル: Garminやスマートウォッチで「距離アラート」を設定。
- ③ トレッドミル設定: 時速13〜14km(4:20/km)×1分 → 時速8km×1分を交互に。
短い時間でも、週1続ければ確実に“心肺の上限”が上がります。
8. インターバル走の後にやるべき回復メニュー
- 終了後:ジョグで1〜2kmクールダウン
- 30分以内にアミノ酸+糖質補給
- 翌日は完全ジョグ(6:30/km × 5〜8km)
インターバルの疲労は「筋肉より神経」。 翌日スピード練習を入れるのは絶対に避けましょう。
9. 実践スケジュール例
| 曜日 | 内容 |
|---|---|
| 火 | Eペース走(10km) |
| 木 | インターバル走(1000m×5本) |
| 土 | ロング走(25〜30km) |
| 日 | ジョグ(6:30/km × 6km) |
ポイント練習を詰め込みすぎず、週1のスピード刺激として取り入れるのが理想です。
10. まとめ:短く、速く、リズムよく。
インターバル走は、苦しい練習の代表格。 でも、その短い数分の中に、驚くほどの成長が詰まっています。
速くなるためではなく、「余裕を作るため」に走る。 それが本当のインターバル走です。
Jack Danielsは最後にこう言いました。
“The purpose of speed work is to make race pace feel comfortable.”
(スピード練習の目的は、レースペースを楽に感じることだ。)
あなたの4分58秒/kmを“呼吸が乱れないペース”に変える―― その第一歩が、今週のインターバル走です。
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