走るのが好きな人ほど、休むのが苦手。 「走らないと不安」「サボってる気がする」―― でも、強くなるランナーほど、実は休むのが上手い。
サブ3.5を狙うレベルになると、 疲労が蓄積したままではパフォーマンスが伸びません。
練習=刺激、休養=回復、成長=その2つの結果。 筋肉も心肺も、休んでいるときに強くなります。
2. Jack Daniels の“回復理論”
Jack Danielsはこう語っています:
“The benefits of training come not from the work itself, but from the recovery afterward.”
(トレーニングの効果は、練習そのものではなく、その後の回復から生まれる。)
つまり、休まずに走り続けると、 身体は「壊す→回復する」のサイクルを回せません。 特に40代・50代では、回復力そのものが20代の頃より遅くなります。
だからこそ、「休み方をデザインする」ことが重要です。
3. 超回復のサイクルを理解しよう
走ると筋肉は微細な損傷を受けます。 それを修復するときに、筋肉は以前より強くなる―― これが「超回復」です。
| 練習の種類 | 回復に必要な時間 | 
|---|---|
| Eペース走 | 24〜36時間 | 
| LT走 | 36〜48時間 | 
| ロング走 | 48〜72時間 | 
| インターバル走 | 72時間以上 | 
この回復サイクルを無視して連続でポイント練習を入れると、 パフォーマンスは上がらず、疲労だけが積み重なります。
逆に、しっかり休めば、走力が自然と引き上がるのです。
4. 回復を早める「3つの休養テクニック」
① ジョグ or 完全休養のバランス
- 疲労が軽い:Eペースよりゆっくりの「疲労抜きジョグ」
 - 疲労が重い:思い切って完全休養(罪悪感なし!)
 
翌日に「走りたい」と思える状態が、最適な休養のサインです。
② ストレッチ&フォームローラー
- 走行後15分以内に太もも・ふくらはぎ・腰回りを軽くほぐす
 - 翌朝の張りが半減し、怪我予防にもつながる
 
③ 睡眠を“最強の補給”と捉える
- 理想は7時間以上。最低でも6時間半確保
 - 寝る90分前に入浴→深部体温を下げると熟睡しやすい
 - 寝る直前のスマホ・PCは控える
 
睡眠中に成長ホルモンが分泌され、筋肉修復が最も進みます。
5. 栄養管理の基本:走る身体を“作り替える”食事
回復を早めるには、食事が欠かせません。 栄養を摂るタイミングが、トレーニング効果を左右します。
① 走った直後30分以内に補給
この30分は“ゴールデンタイム”。 筋肉が栄養を最も吸収しやすい時間帯です。
- 糖質:エネルギー補給(バナナ、パン、おにぎり)
 - たんぱく質:筋肉修復(プロテイン、牛乳、卵)
 - 水分+ミネラル:発汗で失われるナトリウム・カリウムを補う
 
② 1日の中で意識するバランス
| 栄養素 | 目安量 | 主な食材 | 
|---|---|---|
| 炭水化物 | 体重×6〜8g | 米、パン、パスタ | 
| たんぱく質 | 体重×1.2〜1.6g | 肉、魚、豆腐、卵 | 
| 脂質 | 全体の20〜25% | ナッツ、オリーブオイル、魚油 | 
③ 疲労を軽減する“3大リカバリー食材”
- 鮭:アスタキサンチンで抗酸化
 - 納豆:ビタミンKで筋肉修復促進
 - キウイ:ビタミンCで炎症抑制&免疫強化
 
これらを意識的に摂ると、翌日の脚の軽さが全く違います。
6. 実践例:ポイント練習後の“理想的な48時間”
| 時間帯 | 行動 | 目的 | 
|---|---|---|
| 練習直後 | プロテイン+おにぎり | 筋グリコーゲン回復 | 
| 1時間後 | 入浴→ストレッチ | 血流促進+疲労軽減 | 
| 夜 | 炭水化物中心の夕食+7時間睡眠 | エネルギー補充+成長ホルモン | 
| 翌日 | ジョグ or 完全休養 | 超回復期に刺激を与えない | 
| 翌々日 | LT走やEペース走再開 | 回復後の刺激投入 | 
この流れを守るだけで、疲労が残らず、翌週も安定した練習を積めます。
7. 心の休養も、走力の一部
疲れるのは筋肉だけじゃありません。 「走らなきゃ」「頑張らなきゃ」と思い続けると、 心も消耗して、モチベーションが落ちていきます。
そんな時は、思い切って「走らない日」を楽しむ。 家族とゆっくり過ごす、映画を見る、カフェでコーヒーを飲む。 それも立派な“ランナーの休養”です。
心が整えば、脚も自然と前に出る。 それが長く走り続ける秘訣です。
8. まとめ:「走らない時間」が、最速の近道
休養と栄養管理は、地味に見えて最も大事なトレーニング。 速くなるためではなく、「走り続けるため」に必要な技術です。
Jack Danielsは言いました:
“A rested runner is a faster runner.”
(よく休むランナーは、速いランナーである。)
今日走らないあなたも、確実に前に進んでいます。 走る脚を、走らない時間で磨いていきましょう。
▶️ 次の記事:【まとめ】サブ3.5練習法 完全ガイド(準備中)
  
  
  
  
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