はじめに:「息が続かない」は才能のせいじゃない
「走り出してすぐ息が苦しくなる」「ペースを落とすと楽になるけど、また苦しくなる」
——そんな悩みを感じたことはありませんか?
実は、これは肺活量の問題ではなく“呼吸法の問題”。
正しい呼吸を身につけるだけで、体が酸素を効率よく使えるようになり、
ランニングが一気に“楽に長く”続けられるようになります。
この記事では、初心者でもすぐ実践できる呼吸法の基本と、
ペースごとの呼吸リズム、練習法を紹介します。
1. まず理解したい「呼吸の仕組み」
ランニング中に苦しくなる原因の多くは、酸素の供給が追いつかないこと。
体を動かすためには、酸素が筋肉に行き渡る必要があります。
呼吸が浅いと酸素が肺の奥まで届かず、
結果として体が「酸欠状態」に近くなってしまうのです。
この状態を防ぐカギは、「深く・リズムよく」呼吸すること。
特に「吐く」を意識することで、自然に吸気量も増え、体がラクになります。
2. ランニングに最適な「腹式呼吸」を身につけよう
多くの人が無意識に行っているのは「胸式呼吸」。
しかしランニングでは、より多くの酸素を取り込める腹式呼吸が理想です。
🔹腹式呼吸のやり方
- お腹に手を当てる
- 鼻からゆっくり息を吸い込み、お腹を膨らませる
- 口から「フーッ」と長く吐きながら、お腹をへこませる
- 吸う:吐く=1:2 のリズムを意識
この呼吸法をマスターすると、走行中に下腹が安定し、フォームも崩れにくくなります。
腹式呼吸は、体幹のブレ防止にもつながる一石二鳥のテクニックです。
3. 走るペース別の呼吸リズムを知ろう
呼吸は「ペース」によって使い分けるのがポイントです。
苦しくなる原因の多くは、呼吸のリズムとペースが合っていないことにあります。
| ペース | リズム | 呼吸の例 |
|---|---|---|
| ウォーミングアップ・Eペース | 2歩で吸って、2歩で吐く | 「スッ・スッ/フー・フー」 |
| 少し速めのペース(Mペース) | 2歩で吸って、1歩で吐く | 「スッ・スッ/フー」 |
| ラストスパート・登り坂 | 1歩で吸って、1歩で吐く | 「スッ/フー」 |
この「2:2 → 2:1 → 1:1」の切り替えを覚えておくと、
どんなペースでも息切れしにくくなります。
4. 呼吸が乱れたときの対処法
途中で息が上がってしまったら、焦らず次の手順を試してみましょう。
- ① ペースを一時的に落とす:息が整うまで30秒〜1分ウォークでもOK。
- ② 呼吸を「吐く」ことに集中:肺の中の空気を出し切ると、自然に吸える。
- ③ 姿勢をまっすぐに保つ:前傾しすぎると肺が圧迫されて呼吸が浅くなる。
呼吸は「無理に整える」ものではなく、“自然に戻す”意識が大切です。
5. 呼吸を整えるトレーニング3選
① ウォーキング呼吸法
ウォーキング中に「2歩で吸って2歩で吐く」を繰り返す。
ランの前のウォームアップにも最適です。
② ドローイン(体幹+呼吸トレ)
お腹をへこませながら呼吸を続ける。
1日10回×3セットで腹筋と横隔膜を強化できます。
③ 音楽を使ったリズム呼吸
テンポ160〜180BPMの曲を聴きながら走ると、呼吸とピッチが揃いやすくなります。
6. よくある呼吸の悩みと対処法
| 悩み | 原因 | 解決法 |
|---|---|---|
| すぐに息が苦しくなる | ペースが速すぎ・浅い呼吸 | 2:2リズムでゆっくり走る |
| 脇腹が痛くなる | 呼吸が乱れて横隔膜がけいれん | ペースを落とし、吐くことを意識 |
| 鼻呼吸が苦しい | 花粉・乾燥・鼻づまり | 口呼吸+鼻呼吸のミックスに切り替える |
呼吸のトラブルは誰にでも起こります。
「苦しくなったら整える」ではなく、「乱れないリズムを保つ」がポイントです。
7. 呼吸が整うとフォームも整う
呼吸とフォームは密接に関係しています。
息が浅いと上体が硬くなり、肩が上がり、フォームが崩れやすくなります。
反対に、深い呼吸ができると胸が開き、姿勢が安定。
足運びもスムーズになり、無駄な力が抜けます。
つまり、呼吸をマスターすればフォームも自然に改善するというわけです。
8. おわりに:呼吸は「リズムを楽しむ」ことから始めよう
呼吸法はテクニックではなく、ランニングを長く楽しむためのリズムづくりです。
最初は意識しすぎず、「吐く→吸う→リズムに乗る」を繰り返しましょう。
そして何より大切なのは、「自分が気持ちいいと感じる呼吸」を見つけること。
それが、あなたの走りを変える第一歩です。



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