サブ3.5練習スケジュール|12週間で3時間半切り!

はじめに:サブ3.5という壁をどう越えるか

サブ3.5(フルマラソン3時間30分切り)は、多くの市民ランナーにとって「憧れ」と「挑戦」の象徴です。
このタイムを達成するためには、単なる根性や走行距離ではなく、“目的のある練習”が欠かせません。

ダニエルズ博士のランニング理論でも「走力を伸ばすには、複数のペースを計画的に行うこと」が強調されています。
この記事では、Eペース・LT走・ロング走という3本柱を中心に、12週間でサブ3.5を狙う練習計画を具体的に紹介します。

12週間の全体構成

このプランは3フェーズ構成です。体の土台をつくり、スピードを磨き、最後に調整して仕上げる。
無理なく走力を引き上げ、42.195kmを走り切るためのステップを踏みます。

【フェーズ1】基礎作り期(1〜4週)

まずは「走る体」をつくる段階です。
焦ってスピード練習を入れず、フォーム・姿勢・心肺の余裕を整えることに集中します。

  • Eペース走(週2回・60分)
  • ジョグ(週1〜2回・40分)
  • 週末ロング走(90〜120分)

Eペースとは「気持ちよく会話できるくらいの速さ」。
このペースで走ると、酸素を効率よく使う心肺機能が鍛えられ、疲れにくい体になります。
逆に最初から速く走りすぎると、フォームが崩れ、故障の原因にもなります。

週末のロング走は距離よりも「時間」を目安に。
最初は90分、次第に120分まで延ばしていきましょう。
この段階では「走り切った」という達成感を積み重ねることが目的です。

【フェーズ2】スピード持久期(5〜8週)

次の4週間では、「速さを維持できる力」を磨きます。
ここで登場するのがLT走(乳酸閾値走)です。
LT走は“しんどいけど続けられる”強度で20〜25分走るトレーニング。
サブ3.5を狙うなら、キロ4分45〜4分55秒が目安です。

  • LT走(週1回・20〜25分)
  • Eペース走(週1回・70分)
  • 週末ロング走(25〜30km・2〜3回)

このフェーズで意識したいのは疲労のコントロールです。
1週間の中で「強・中・弱」の波を作ると、体がうまく回復しながら成長します。
30km走をした翌週は20km走に短縮したり、インターバルを省略するなど、柔軟に調整してOKです。

GarminなどのGPSウォッチを使い、平均心拍数やペースを記録しておくと、
自分の“疲労ライン”が見えてきます。これが次の練習効率を大きく上げます。

【フェーズ3】仕上げ・調整期(9〜12週)

最後の4週間は「疲労を抜きながら走力を保つ」時期です。
この段階で最も重要なのは、走りのキレを保ったまま、疲労を持ち越さないこと。

  • ビルドアップ走(週1回・60分)
  • インターバル(400m×6〜8本)
  • 週末ロング走(30km → 20km → 10kmへ漸減)

ここで無理をして「もう少し追い込みたい」と思うのは禁物です。
トレーニングは“引き算の勇気”が大切。
最後の2週間はジョグ中心にして、筋肉に張りが残らない状態で本番を迎えましょう。

1週間の練習例(中盤モデル)

曜日 練習内容
完全休養 or ジョグ40分
LT走25分(アップ・ダウン含め計60分)
Eペース走70分
ジョグ50分+補強トレ(スクワット・プランク)
休養 or ストレッチ・マッサージ
インターバル400m×6(R200mジョグ)
ロング走25〜30km(補給練習も兼ねる)

このように、週ごとに「速い・長い・休む」を組み合わせることで、
疲労を溜めずに効率よく成長できます。
もし1日サボっても大丈夫。継続すること自体が最大の成果です。

補強トレーニングと疲労回復の工夫

サブ3.5を狙う世代(40代〜50代)は、筋力の低下がパフォーマンスの壁になります。
特に後半で脚が止まる原因の多くは「体幹と臀部の弱さ」。
週2回の自重トレーニングを取り入れましょう。

  • スクワット(15回×3セット)
  • プランク(30秒×3セット)
  • ヒップリフト(20回×2セット)

また、フォームローラーやストレッチガンで筋膜リリースを行うと、
次の練習の疲労が半分以下に感じられるはずです。

ペースの目安と目標設定

フルマラソン3時間29分切りに必要な平均ペースは4分58秒/km
Eペースは5分40〜6分00/km、LTペースは4分45〜4分55/kmが目安です。

ペース感覚を身につけるには、Garminなどの時計でラップを見ながら走るのがおすすめ。
「このくらいの呼吸なら4分50秒台」という感覚をつかむと、
レース本番でペースを乱さずに走れます。

おすすめサポートアイテム

  • 🏃‍♂️Garmin Forerunner 265:心拍・ペース・回復時間を一括管理
  • アミノバイタルゼリー:LT走・30km走前にエネルギーチャージ
  • 🦵フォームローラー:自宅でできるリカバリーケア

練習を続けるためのメンタル戦略

サブ3.5の挑戦で最も難しいのは「3ヶ月間続けること」。
特に平日の夜、仕事で疲れた日こそ“5kmだけでも走る”を習慣にしましょう。

疲れた日こそ、ジョグでリセットする。
これを繰り返すうちに、「走ることが日常」になり、練習が苦ではなくなります。

まとめ:目的を持った12週間で、確実に走力アップ

サブ3.5達成は、特別な才能が必要なわけではありません。
大事なのは、「どの練習に何の意味があるか」を理解して続けることです。

Eペースで土台を作り、LT走でスピードを磨き、ロング走でスタミナを育てる。
この3本柱を12週間積み上げれば、42.195kmを笑顔で走り切れる日が必ず来ます。

次のステップは、補給とレース戦略の実践です。
30kmの壁をどう越えるか——その答えを、次の記事で詳しく紹介します。

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