【撃沈】30km走が25kmで強制終了。慢心と補給ミスが招いた「足が止まる」恐怖体験

練習記録

フルマラソンに向けたトレーニングの中で、最も重要かつ最も気が重い練習。それが「30km走」です。

レース本番の3週間〜1ヶ月前に実施することで、脚作りはもちろん、目標ペースに対する余裕度を測り、自信をつけるための大切なリハーサル。私も来たる本番に向け、気合十分で昨日の練習に臨みました。

しかし、結果から申し上げます。
完走できず、25km過ぎで盛大に撃沈しました。

目標としていた30kmの距離を踏めなかった悔しさと、「このままでは本番が危ない」という焦り、そして何より自分の不甲斐なさでいっぱいです。

ただ、Garminのログを見返し、当時の思考を振り返ると、失敗の原因は驚くほど明白でした。今回は、恥を忍んで「なぜ私は25kmで潰れたのか」、その失敗のプロセスを詳細に記録します。

同じように目標に向かって走る皆さんの、「反面教師」として読んでいただければ幸いです。

▲ 順調だったペースが突然崩壊した様子がこちら。嘘みたいに垂直落下しています。これが「撃沈」の可視化です。

序盤〜中盤:悪魔の囁き「今日は調子がいいぞ」

今回の30km走、本来の設定ペースはサブ3.5(キロ4分58秒)を意識していました。
このペースで30kmを余裕を持って走り切り、「よし、これなら本番で42kmも行ける!」という自信を持ち帰るのが本来の目的でした。

当日の天候は晴れ。気温も高すぎず低すぎず、絶好のランニング日和。
新しいウェアに袖を通し、シューズの紐をきゅっと結んだ時までは、冷静でした。

しかし、いざ走り出すと状況が一変します。
体が軽いのです。脚が勝手に前に出るような感覚。

最初の1kmこそ5分08秒でしたが、すぐにリズムに乗り、時計を見るとキロ4分50秒前後が表示されていました。

「設定より10秒近く速いな……」

本来ならここでブレーキをかけ、設定ペースである4分58秒に戻すべきでした。しかし、この時の私の頭の中では、悪魔がこう囁いていたのです。

「今日はスーパーベストが出る日なんじゃないか?」
「このまま4分50秒で押し切れたら、サブ3.5どころかサブ3.40も狙えるぞ」

調子の良さに酔いしれ、私はペースを落とすどころか、そのスピードを維持することを選んでしまいました。

中盤の10km〜20km区間も、ほぼ4分50秒〜52秒で推移。
心拍数は徐々に上がり始めていましたが、「まだ呼吸は苦しくないし、脚も回っている」と楽観視していました。

これが、後半に支払うことになる「高金利の借金」だとも知らずに。

予兆、そして崩壊。25kmの壁は実在した

異変を感じ始めたのは、20kmを過ぎてからです。

それまでスムーズに動いていた股関節周りに、錆びついたようなキシキシとした違和感が生まれました。太ももの前側が張り始め、蹴り出しのパワーが地面に伝わらなくなってくる感覚。

「あれ? ちょっとキツイかも」

時計を見ると、意識して維持していたはずのペースが、5分00秒、5分04秒と少しずつこぼれ落ちていきます。
必死に腕を振ってリズムを取り戻そうとしますが、一度崩れたバランスは戻りません。

そして迎えた25km過ぎ
その瞬間は突然やってきました。

「あ、もう無理だ。動かない」

プツンと何かのスイッチが切れたように、物理的に足が前に出なくなりました。
意志の力でどうにかなるレベルではなく、筋肉へのエネルギー供給が完全に遮断された感覚。いわゆる「ハンガーノック(エネルギー切れ)」の状態です。

ラップタイムは見るも無残に5分13秒、5分27秒……と転がり落ち、最後はジョグすら維持できなくなりました。
27km地点、私は無念の表情でストップウォッチを止めました。あと3kmが、果てしなく遠く感じました。

敗因分析:なぜ私は潰れたのか?

帰宅後、冷静になって今回の失敗を分析しました。原因は大きく分けて2つ。どちらも、ランナーが陥りやすい典型的なミスです。

1. 「貯金」という名の浪費

30km走の目的は「フルマラソン後半の粘りを作る」ことです。
それには、レースペース(今回は4:58/km)を守り、30km地点までエネルギーを温存するマネジメント能力が求められます。

しかし私は、「調子が良いから」という理由で、本番より速いペース(4:50/km)で走り続けました。
フルマラソンにおいて、前半に作った数分の貯金は、後半に倍以上の借金となって返ってきます。 今回の撃沈は、まさにその通りの結果となりました。

「調子が良い時こそ、勇気を持ってペースを抑える」。
頭では分かっていたはずなのに、実践できませんでした。

2. 「後でいいや」が招いた補給の失敗

これが今回の決定的な敗因です。

私はポケットにエネルギージェルを携帯していました。
本来のプランでは、15km地点で半分、20km地点で残りを摂取する予定でした。

しかし、15km地点を通過した時、まだ身体に余裕があったため、こう考えてしまったのです。
「わざわざ止まったり、ペースを落として飲むのが面倒だな」
「まだお腹も空いてないし、もう少し後でいいか」

20km地点でも同じようにスルーしました。
しかし、人間の体内に蓄えられる糖質(グリコーゲン)には限界があります。自覚症状が出る頃には、もう体内はスカスカの状態なのです。

「喉が渇く前に飲め、腹が減る前に食え」
マラソン界の鉄則を無視し、補給を怠った代償は、「強制終了」という最悪の形で支払うことになりました。

失意のち、とんでん。回復の儀式へ

ボロボロの体を引きずりながら、トボトボと歩いて帰路につきました。
すれ違う他のランナーが軽快に走っていく姿を見るのが辛く、視線を落とします。

心も体もエネルギーが枯渇し、文字通り「空っぽ」の状態。
こんな時、ランナーを救ってくれるのは、美味しい食事しかありません。

吸い込まれるように向かったのは、安心と信頼の「和食レストラン とんでん」

メニューを開き、迷わず注文したのは「冷たいお蕎麦とミニカツ丼のセット」
炭水化物 × 炭水化物。今の私に必要なのは、失われたグリコーゲンを急速充填することだけです。

運ばれてきたお盆の上には、涼しげなザル蕎麦と、黄金色のカツ丼。
まずは走り終わって火照った体に、キリッと冷えた蕎麦を流し込みます。

「……あぁ、生き返る」

冷たい蕎麦の喉越しが、疲労した体に最高のご褒美です。
続いて、サクサクのカツと卵が絡んだご飯を頬張ります。枯渇していた細胞の一つ一つが、歓喜の声を上げているのが分かるほど美味しい。

30km走には失敗しましたが、走った後のご飯の美味しさだけは、成功した時と変わりません。
カツ丼を完食する頃には、どん底だった気分も少しずつ浮上してきました。

今回の教訓と次への誓い

ほろ苦い結果となった今回の30km走ですが、本番のレースで同じ失敗をする前に、練習で「撃沈」を経験できて良かったとポジティブに捉えることにします。

今回の失敗から学んだ、次回の練習と本番への鉄の掟です。

  1. ペース厳守の勇気を持つ
    どんなに調子が良くても、最初の5km〜10kmは設定ペース(4:58/km)を絶対にはみ出さない。時計をこまめにチェックし、逸る気持ちを抑える。
  2. 補給は「時間」で管理する
    「お腹が空いたら」ではなく、「10km地点」「20km地点」と距離で決め、機械的にジェルを摂取する。面倒臭がらず、給水も必ず行う。

マラソンにまぐれなし。
練習は嘘をつきませんが、慢心はすぐに足をすくいます。

今回の失敗を糧に、次こそは30kmを笑顔で走り切り、自信を持って本番のスタートラインに立ちたいと思います。
まずは、筋肉痛が治ったら再スタートです!

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