【停滞期を打破せよ】サブ3.20の壁を越えるための「12kmビルドアップ」実践論。サブ3.5卒業へ、あと4分を削り出す。

練習記録

「サブ3.5は達成できた。でも、サブ3(3時間切り)はまだ遠い気がする……」

多くの市民ランナーが、この「サブ3.5とサブ3の間にある巨大な溝」の前で立ち尽くしてしまいます。キロ4分58秒(サブ3.5)から、いきなりキロ4分15秒(サブ3)へジャンプアップするのは、正直なところ至難の業です。

そこで目指すべき現実的かつ、最も重要なマイルストーンが「サブ3.20(3時間20分切り)」です。

サブ3.20は、単なる通過点ではありません。
多くのシリアスランナーが憧れる別府大分毎日マラソン(別大)の参加資格を「余裕を持って」クリアできるラインであり、市民ランナー上位数%に入るための登竜門です。

今回は、私が実際に停滞期を打破し、3時間20分の壁をこじ開けた「12kmビルドアップ走」という特効薬について、具体的な設定タイムと共に解説します。

なぜ「サブ3.20」の壁はこんなにも厚いのか?

まずは敵を知りましょう。サブ3.5とサブ3.20では、求められる「エンジンの種類」が違います。

  • サブ3.5まで:ジョギングの延長線上で、距離を踏めば到達可能。
  • サブ3.20から:心肺機能に負荷をかけ、「スピード持久力」を開発しないと届かない。

具体的な数字で見ると、その差は歴然です。

目標 ペース(/km) 5kmラップ 体感強度
サブ3.5 4:58 24:50 会話可能
サブ3.20 4:44 23:40 息が弾む
サブ3 4:15 21:15 会話困難

注目すべきは、サブ3.5との差です。
1kmあたり「約14秒」速く走る必要があります。

たった14秒と思うかもしれませんが、この「キロ4分40秒台」というのは、多くの市民ランナーにとって「ジョグでは出せないが、ダッシュでもない」という、非常に練習しにくい絶妙な強度(閾値)なのです。

このペース感覚を体に叩き込まない限り、本番の30km以降で必ず脚が売り切れます。

停滞期を壊す特効薬。「12kmビルドアップ」の実践ログ

私がサブ3.5で足踏みしていた時、漫然としたロング走をやめ、週に一度必ず取り入れたのが「12kmビルドアップ走」です。

「たった12kmでフルマラソンの練習になるの?」

そう思うかもしれません。しかし、結論から言うと「ダラダラ走る30kmより、密度の濃い12km」の方が、サブ3.20には効きます。

黄金の練習設定(ターゲットタイム)

この練習の目的は、「後半苦しくなってからペースを上げる」という、レース本番のシミュレーションです。

  • 距離:12km(4km × 3段回)
  • 頻度:週1回(水曜などのポイント練習に最適)

1段目(0km~4km):キロ5分00秒

サブ3.5ペース。まずは「楽だ」と感じるペースで入ります。ここで焦って飛ばさないのが、後半に粘るためのメンタルトレーニングです。

2段目(4km~8km):キロ4分45秒

ここが「サブ3.20の実戦ペース」です。
フォームを大きく、かつリラックスして「巡航」します。このスピードを「速い」ではなく「普通」だと脳に覚え込ませます。

3段目(8km~12km):キロ4分30秒

ここが勝負です。心拍数が上がり、呼吸が苦しくなります。
しかし、ここでサブ3.10レベルの「4分30秒」まで上げて耐えることで、本番の4分44秒に「余裕」が生まれます。

この練習で「失敗しない」ための3つのコツ

私はこの練習を始めた当初、何度も失敗しました。特に多かったのが、8km以降で失速してビルド「ダウン」になってしまうこと。
同じ轍を踏まないよう、以下の3点を意識してください。

1. シューズは「本番用」を使う

「練習だから」と重いクッションシューズで走っていませんか?
キロ4分30秒まで上げるこの練習では、シューズの反発力も重要な要素です。

私の場合は、レースで使うカーボンプレート入りのシューズ(あるいはそれに準ずるテンポアップシューズ)をこの練習でも使用しました。「このシューズなら、この感覚で4分40秒が出る」という感覚を脳と足にリンクさせることが重要です。

2. 「入り」の5分00秒をバカにしない

最初の4km、体が軽いのでつい4分50秒くらいで走りたくなります。
絶対に我慢してください。
前半を抑えて後半に爆発させる「ネガティブスプリット」の感覚を養うことこそが、サブ3.20達成の鍵だからです。前半の貯金は、後半の借金にしかなりません。

3. 一人でやらない(または音楽を活用する)

この強度の練習を単独走でやるのは、正直メンタルが削られます。
ランニング仲間がいればベストですが、一人の場合は「BPM(テンポ)180」のプレイリストを活用するのがおすすめです。リズムに合わせてピッチ(足の回転数)をキープすることだけに集中すれば、苦しい時間帯も乗り切れます。

まとめ:別大のスタートラインは、もう目の前にある

この12kmビルドアップを2ヶ月続けてみてください。
最初はラストの4kmが地獄のように感じるはずです。しかし、ある日ふと、「あれ? 今日のキロ4分45秒、ジョグみたいに楽だぞ」と感じる瞬間が訪れます。

それが、「壁が壊れた合図」です。

サブ3.20を達成できれば、別大のスタートラインに堂々と立てます。
その自信は、やがて夢の「サブ3」への確かな足がかりとなるでしょう。

停滞している暇はありません。まずは今週のポイント練習、この設定で一本走ってみませんか?
あなたの「あと4分」は、必ず削り出せます。

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